ネタバレになりますのでストーリーは書きませんが、胸が締め付けられるような切ない大人の恋愛ドラマでした。主人公の福山雅治さんも存在感のある演技でしたが、私はヒロインの石田ゆり子さんの名演技により惹き込まれました。恋愛物語としてのストーリーもとても魅力的で、素敵な映画でした。全編ギター音楽が流れていますのでギターファンなら絶対に見て欲しい映画です。
作品を通して全編クラシックギター音楽がちりばめられており、クラシックギターファンには堪らない映画となっています。これだけクラシックギターがフィーチャーされた作品は日本映画史上初ではないでしょうか。日本映画史上に長く語られる名作になって欲しいものです。
これだけクラシックギター音楽で支えられた映画と言うのは世界的に見てもフランス映画の禁じられた遊びに匹敵すると思います。ギターファンには堪らない選曲と演奏です。
主人公の福山雅治さんのギターの弾きぶりがとても自然で、テーマ曲のように何度も演奏されたバリオスの大聖堂も本当に弾いているかのように見えました。(本当に弾いていたりして、、、。)
ストーリーの山場でアルベニスのアストリアスのラスゲアードの激しさが効果的に使われていたり、心がざわめく場面展開時にリョベートのソルの主題による変奏曲が使われていたりと、ギター音楽を知っている人にとっては、ニヤリとする場面が多々ありました。ヴィラ=ロボスやバッハの曲などギターで弾かれる名曲が多数使用されそれぞれの曲が、場面展開に合わせて効果的に使われていたのはギターファンとして嬉しかったです。もちろんギター曲を全く知らない方にとっても純粋に映画音楽として楽しめたと思います。
福山さんが作品中で使用していたギターは、スペインの名器イグナシオ・フレタでした。都内の某楽器店でこの映画の為に個人的に購入したとの情報があります。また、作品中に登場する若手ギタリストがテデスコのソナタ「ボッケリーニ讃」を弾いていましたが、楽器はパウリーノ・ベルナベだったように思います。使用ギターも本格的なものです。
また、映画ではギターの神様アンドレス・セゴビアが効果的に登場していた事も嬉しかったです。
本編が終了した後に流れるエンドロールも目を皿のようにして見ました(笑)。音楽アドバイザー的なクレジットで福田進一さん、大萩康司さん、徳永真一郎さん、秋田勇魚さん(もう一人いたと思いますが見逃しました)などの名前があったように思います。また、本編で登場したトリビュートアルバムとして制作されたCDのジャケット写真には福田進一さん、女性ギタリストとして堤千花さん?の写真もあったような気がします。
この映画の為に作曲されたと思われる菅野祐悟さん作曲の映画版テーマ曲「幸福の硬貨」も耳にやさしいメロディアスな素敵な曲でした。
楽譜はまだ発売されていないようですので発売が待たれます。楽譜が映画の公開と同時発売なら結構売れたと思いますが、、、。
このテーマ曲、何と主演の福山さんご自身が映画の中で本当に演奏しているとの事です。凄いです。
youtubeを探してみたところ、耳コピーで幸福の硬貨を演奏している人を発見しましたので紹介します。菅野祐悟さん作曲の映画版幸福の硬貨です。
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幸福の硬貨には林そよかさん作曲のもう一つの別バージョンもあるようです。こちらは小説版の音楽のようで楽譜も発売されているようですが、映画の公開を受けて品切れ状態のようです。映画版の同名曲と同じ演奏者の演奏を紹介します。
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【あらすじ】(公式サイトより)
世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史(福山雅治)は、公演の後、パリの通信社に勤務するジャーナリスト・小峰洋子(石田ゆり子)に出会う。ともに四十代という、独特で繊細な年齢をむかえていた。
出会った瞬間から、強く惹かれ合い、心を通わせた二人。洋子には婚約者がいることを知りながらも、高まる想いを抑えきれない蒔野は、洋子への愛を告げる。しかし、それぞれをとりまく目まぐるしい現実に向き合う中で、 蒔野と洋子の間に思わぬ障害が生じ、二人の想いは決定的にすれ違ってしまう。
互いへの感情を心の底にしまったまま、別々の道を歩む二人が辿り着いた、愛の結末とは―
【マチネの終わりに公式サイト】
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しかし、11/4の夜18:50開始で見たのですがお客さんの少なさが残念でした。公開開始3日目の新作なのに、、、。もっとたくさんの方に見て頂きたい映画です。